ゴォォォォォォォォォォォォォ!! すごい勢いの風の音・・・・。 耳に劈くように聞こえる音は、まるで悲鳴のようだった・・・・。 ACT.5 a fateful encounter 俺は今飛行竜の甲板に居る・・・・・。 今回は任務である物を、無事王の下へ運ぶことが、任務内容だ。 リオンは他に任務があるらしく、今回は俺一人。 まぁ他にも兵隊の人たちが居るんだけど。 そんなことを思っていると、後ろのほうから足音が聞こえた。 「誰か居るのか?」 は振り向くと、兵のトムさん(ちょっとした知り合い)と、 その横に金髪で長い髪の男の人が居た。 「さん、こんなとこに居たんですか。」 兵のトムさんは、金髪の男と一緒にに近づいてきた。 「うん。ここ涼しいから!トムさん。その人は誰?」 はさっきから金髪の男の人が気になって仕方がなかった。 金髪の男の人もが気になっているらしく、ちらちら見てくる。
それに気づいたトムさんは、金髪の男を自分のほうへと近づける。
お腹を押さえながら親指を立てる。
「そうですか。」 「あなたもモップで掃除しないと、船長が怒り出します。」 そう言いながらトムさんは、スタンにモップを渡した。 スタンが、はわこうとしたその時。 ギャー ギャー モンスターの鳴き声が聞こえた。 「トムさん、スタンあぶない!! 早く逃げて!!!」 がモンスターを見つけたときは、スタンとトムさんの真上にいた。 「兵士さん逃げましょう。」 スタンがトムさんに呼びかける。 「あなたと、さんは早く逃げなさい!」 「そんな」 スタンが迷っていると、トムさんは叫んだ。 「早く!命が惜しくないのか!!」 するとモンスターがブーメランを、トムさんめがけて攻撃をしてきた。 「トムさん危ない!!」 が叫んだときはもう遅く、トムさんへの攻撃は当たっていた。 「トムさん!!・・・くそ!」 はモンスターへ近づき、腰につけていた剣をモンスターの急所に攻撃した。 そのモンスターは1発で倒れたが、向こうからは何百匹ものモンスターが、 流れるように近づいてきたので、さすがのも全部を倒すのは無理だとわかった。 「スタン。早く下に行きましょう。」 「ああ。」 甲板の入り口に向かって走った。 階段を下りていると、スタンがぶつぶつ何か言って突然走り出す。 「スタン!何してるんだ!! スターン!!!とまれーー。」 呼んでも聞こえてないらしく、とまらなかった。 とにかくスタンの後を追っていたらもう。 モンスターが中に進入していたらしく、廊下には兵士が何人も倒れていた (なんでモンスターが襲い掛かってくるんだ・・・モンスターたちは 何かを探してるみたいだったけれど・・・もしかして!!) 倉庫のドアが開いていたので、「もしかしたら・・」と思い倉庫の中を見ると スタンが居た 「この剣をつかわさせてもらおう」 スタンがある剣を持っていた 「スタン!何をやっている・・・!・・・もしかしてその剣を奪いに?」 「いやちがう!ただ武器がほしくて。ここに入ると、この剣があったから」 「その剣は俺達が王の下へ持ってい・・・・」 全部を言い終わる前に剣が光りだした 「う、うわっ!!なんだ!?」 「スタン!何かしたのか!?」 「まだ、触ってもないぞ!!」 『我が名はディムロス』 いきなり、どこからか声が響いてきた は、周りを見渡したが、とスタン以外に人は居ない・・・ 「だ、誰だ!?」 は敵が隠れているのかもしれないと思い、声の主に問いかけてきた 『ほう・・・我が声の聞こえる者の声がすると思ったら、こんな小さい少年か・・・』 また声が聞こえた。 はどこから声が聞こえてくるのか耳を済ませた。 が、しかし音は頭に直接響いてくるので、 相手がどこに居るかわからなかった。 「け、剣が喋った!?」 スタンの言葉には耳を疑った。 (剣!?喋る剣!!?リオンの持ってるシャルみたいに・・・) 『なに?・・・そこの者も我が声が聞こえるのか・・・』 剣は少し考えるように声を落とした。 しばらくの間、沈黙が続いた。 『よし、力を授けよう・・・・』 「え?」 いきなりかけられた声にもスタンもびっくりした。 「え・・・力って・・・別に俺はいいよ、剣だってあるし」 はあせりながら言った。 「えと・・・それならぜひ・・・・えー・・・・と・・・」 「ディムロスだ」 「そ!ディムロスを使わせて欲しいんだけど・・」 スタンは頭をかきながら「俺剣無いし・・・」と付け加えた。 『よかろう、では・・・・・お前の名前は何だ?』 「ス、スタン」 『では、スタン私を信じろ、 そしたら私もお前を信じよう』 「わ、分かった・・・・」 スタンはそういうとディムロスを取った。 スタンとはしばらくの間黙っていた。 が、その沈黙をディムロスが破った。 『そこの者・・・名はなんと言う?』 「え!?あ、だ」 『そうか、・・・お前は私の声が聞こえるといったな?』 「あぁ、いまもしっかり聞こえてる」 『そうか・・・では、私以外にもこのように喋れる剣がある。 その中のひとつにお前がマスターとなる剣が現れるかもしれないな・・・』 「ふーん・・・・」 は(俺もリオンとおんなじような剣をもてるのか・・・・)と思っていた。 「!早く行こう!!」 モンスターの鳴き声が聞こえてきた、 そのせいで、スタンの声には明らかに分かる焦りの声が聞こえてきた。 「分かった!!」 は床をけって走り出した、ところが 「こんなところにまだ人間が残っていやがったか」 目の前には甲板でみたモンスターと同じモンスターがいた。 はモンスターの殺気に気づいた。 前、ダリルシェイドで見たモンスターに比べたら何十倍もの殺気だった。 「ファイアーボール!!」 後ろから聞こえた声と同時に丸い炎がモンスターめがけて飛んできた。 モンスターは大きな声を出して倒れたが、まだ微かに動こうとしていた。 「スタン!そんな技使えたのか?」 は後に立っていたであろうスタンに話を振った。 スタンは自分でも何がおきたか分からず、驚きの顔が精一杯で言葉が出ない。 やっと声を出せたのはたったの一言。 「俺・・・・こんな・・・・こんな技はじめて見た」 その声と同時にモンスターは、ものすごい音とともに立ち上がった。 とスタンは、モンスターのほうを振り向いた。 「くそ!もうあきらめて帰ってくれ!!」 はモンスターに言い捨てた モンスターは聞く耳持たずに、とスタンに襲い掛かった スタンが走り出すより先に、はモンスターに斬りかかった。 「本当は殺したくはないんだ。けれども1度戦ってしまえば・・・・・ お前を殺してしまうかもしれない」 そういってもモンスターは攻撃をやめなかった。 「どうしても分かってくれないんだな・・・」 は攻撃をかわしながら下を向き そして一瞬とまって、意を決心したように前を向く さっきまでのと違い目つきが鋭くなった。 スタンは走り出していた体が自然にとまっていることにも気づかずに・・・ のすべての行動に目を奪われた。 モンスターへのの剣捌きはとても優雅で嫣然。 殺すというより自分の過ちを知らすような 一言でまとめれば‘すごい’の言葉しか思いつかなかった。 最後の一撃が心臓を捕らえモンスターは即死だった。 スタンは全身に身の毛立つような感覚が押し寄せ、の圧倒的な強さを思い知らされた。 「スタン!行こう」 の一言でわれに返り、のどからやっと搾り出した声で返事をした。 倉庫から出るときに見たモンスターが、どこか不気味な笑みを放っているような気がした。 「スタン。今から甲板に戻って脱出ポットに乗り込もう」 は後から走ってくるスタンにそう言った。 「あぁ!分かった!!」 とスタンは階段を上り甲板に行った その途中にはモンスターに、殺された人たちの死体があった。 「・・・・・っ!」 スタンは口を押さえ、の方を見た スタンはも、顔を青ざめているかと思ったが、 はただ死体を何の感情もない目で、見つめているだけだった。 だが、すぐにの双瞳からは、涙がこぼれた。 そして死体のすぐそばに駆け寄り、膝を折った。 「ごめんな・・・・・俺は・・・・お前たちも守るためにこの船に乗ったのに・・・・・」 涙を流しながらは死体たちに謝罪した その光景に見かねたスタンが声をかけた 「あの・・・ その・・・俺が言うのもなんだけどさ・・・・ その人たちもに謝られるより、に生きて欲しいと思うと思う・・・・ だから・・・早く脱出ポットに行こう・・・」 「あぁ・・・分かった」 はそう答えながら涙を拭い立ち上り、甲板を目指した 甲板にたどり着いたところで二人は走るのをやめて、早足で歩き出した。 さすがにここまで走ってきたので辛かったのだろう。 「はぁ・・・・はぁ・・・・疲れた・・・・」 「でも・・・もう大丈夫だ・・・」 そう言うとスタンは走って脱出ポットに向かった。 「ポットは一人用だからなーー!」 はそう声を荒げて、スタンに駆け寄った。 「なぁ・・・これどうやって開けるんだ?」 脱出ポットを開けるのに、苦戦しているスタンはにすがりついた。 「はぁ?こんなのどっか適当に押したら・・・って・・・・・コレ・・・・・・」 顔を青くするにスタンは、「どうかしたのか?」とでも言いげな顔をしている。 「なんてこった・・・・ぶっ壊れてやがる・・・・」 「え!?本当か!!?」 の言葉にスタンは驚愕した。 「スタンどれかまだ使えるやつがないか探してくれ! この真ん中のボタンを押したら開くから!!」 はスタンの返事を聞く前に、隣のポットを調べに入った。 スタンもすぐに他のポットを調べ始めた。 スタンはの言われたとおり、脱出ポットの真ん中のボタンを押した。 が、ここも壊れているようで開かなかった。 スタンが次のポットを調べようとしたとき、横から「あった!!」という声が聞こえてきた。 「あったのか!?!!」 「あぁ・・・でももうひとつ探さないと・・・」 どうやらスタンの調べているポットが最後のようだ、 スタンはポットの真ん中にあるボタンを探し、そのボタンを祈りながら押した。 しかし、ポットの扉は無情にも開かなかった。 「どうする!?ポットは一個しかないぞ!!」 スタンはに声を荒げながら言った。 「それは・・・よし、スタンお前がポットに乗れ」 「は!?なに言ってんだよ!!」 のいきなりの言葉に、スタンは驚きを隠せなかった。 「だーかーらーお前はさっさと行けって言ってんの。」 「なんでだよ!?も一緒に行こう!!」 「あのなぁ・・・ポットに二人も乗ったらどうなると思う? 操作不能でどっかに不時着してポットは大破、 そして俺たちも大破・・・・・ってのがオチだぜ?」 「・・・くっ・・・・なら・・・・なら、なんでおれなんだ!?」 スタンはを見ずに声を荒げた。 「なんでって・・・・お前はディムロスをもっている。 俺たちはそれを守らなくてはいけないんだ。 それに・・・ディムロスもお前をマスターと認めてるだろうしね・・・」 『まだ半人前のマスターだけどな』 「ディムロス・・・・・オレ・・・・」 「ほら、さっさと行けって!モンスターも来てるみたいだし」 「でも、!!」 どんっ!! スタンは衝撃を受けてポットの中に転がった。 「な、なんだ!?」 がスタンを押し飛ばしていたのだ・・・・ は微笑むとゆっくりと喋りだした。 「あのさ・・・出会ってちょっとしか立ってないけど・・・・俺・・・スタンのこと 仲間だと思ったよ・・・・スタン、ありがとう」 そうがスタンに告げるとはすぐにポットを閉めた。 「!!!おい!!!!!」 ポットの中からスタンの叫び声が聞こえる・・・ 「あと・・・ごめんなスタン・・・・」 は自分にしか聞こえない声でポソっと言葉を発した。 すると、すぐにポットが動き出し飛行竜から完全に切り離された。 は、しばらくポットを見つめていた。 そして、甲板の入り口を見つめてこう言った。 「みんな・・・ごめんね・・・」 その言葉は飛行竜にのってる人だけじゃなく・・・ 自分が殺してしまったモンスターにも向けての言葉だった。 ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!! すごい勢いの風の音・・・・ 耳に劈くように聞こえる音は まるで悲鳴のようだった・・・・ は目をギュっと閉じ、 その悲鳴に身を任せた