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「この子だけは・・・・。この子だけはあの人達から守って。」
星一つ無い真っ暗な空。
目を凝らして走るのに精一杯だった。
後ろからは村の皆を殺し、今走っている自分達も殺そうとする
奴等が追いかけてきている。
事の起こりは突然だった。
目の前で、今日話したばかりの近所のおばさんが、無残にも刀で切られ、
笑い声が溢れていた隣の家からは、悲鳴と泣き声が響いていた。
後ろにいたお母さんと、お父さんに引っ張られ、無我夢中で走るだけだった。
村外れの小屋に逃げ込むと、すぐにお父さんは戸棚のほうへと足を向かわせた。
「!ココに隠れるんだ!!」
と呼ばれた少女は、お父さんの言われた通り戸棚の中に入る。
「。お母さん達が良いと言うまで、出てはいけませんよ。」
お父さんとお母さんは、今までにないぐらいの笑顔をに向け戸棚を閉めた。
それと同時に小屋のドアが乱暴に開けられた。
「キャアー!!」
「グアァー!!」
お母さんとお父さん叫び声と、ドタドタと足音のような音が聞こえた。
「このことが知られてはまずい、このことを知っている奴は一人残らず殺せ!!!」
耳に残るような低い声が小屋の中を響いた。
「次に行くぞ」
「はい!」
また足音が響き、どんどん小さくなっていった。
は恐る恐る戸棚を開ける。
「何が起こったの?」
さっき、笑いかけてくれたお父さんとお母さんは、血の海に浮かんでいるように横たわっていた。
「お父さん?お母さん??・・・・・っね・・・・・・ねえ!!」
2人の間に入り体を揺らす。
村で死んだおばさんと同じように動かない。
「お父さん!お母さん!!死なないで・・・・。私をおいていかないで!!!」
心のそこから望んだ。死なないで・・・おいていかないでっと。
「・・・・」
喉のほんの少しの隙間からこぼれ出た声は、かすれていて聞きずらいが、
この声はお父さんの声だ!
「お父さん!!」
振り返りお父さんを見た。
鼻の頭が痛み出ししだいに涙が溢れてきた。
生きている!!死んではいない。大丈夫だ。
今から町のはずれにいる医者の元へ行けば間に合うかもしれない。
あそこは、よそ者には分からないような道からしか行けない。
医者も生きているはずだ。
震えるお父さんの手がの頬を撫でた。
「・・・・・・・・お前・・・は・・・・強・・・・・くなるん・・・・・・・・ダ。」
それっきり、いくら揺らしても叩いても叫んでもお父さんの声は聞こえなかった。
「お父さん?お父さん!!
イヤーーーーーーーーーーーーーーーー!!
」
「うっ、ひっく・・・お父さん・・・・お母さん・・・グスっ
分かった・・・私は・・・強くなる!!強くなってあいつ等に復讐する・・・。」
私は強くなる為に私を捨てた。
そして、
俺
になると決めた。
お父さんとの、最後の約束・・・・、強くなるために・・・・。
Act 1.It is all starts.
「・・・・・・ろ・・・きろ・・。」
「起きろ!!」
誰かが、の体を叩く。
あまりにもうるさいので目が覚めてきた。
「う・・・っなんだよ!うるさいな」
無理やり起こされたのでムッとした。
「おい!ここをどこだと思ってる」
「へ?」
あたりを見てみると、目の前には綺麗な顔をした少年と、
見慣れぬ場所に綺麗な家があった。
「ここどこだ?」
「ここは僕の家だ!!どこから入ってきた!!」
少年は、睨みながら言った。
今にも襲い掛かりそうな勢いでいる。
「どこってしらねぇよ!」
本当にどこから入ってきたのかは、自分でも分からない。
寝起きということもあるわけか頭が働かないのだ。
「とにかく、お前をヒューゴ様に渡す。」
「っちょっと待てよ!!」
胸倉を?まれ引きずられそうになるが、は必死で抵抗した。
「待たん!お前が抵抗するなら、やるまでだ!!」
すると、少年は腰にかけていた剣を抜いて、のほうに振り下ろした。
「うわ!危ないだろ!!!」
不意打ちだったため、よけるのが精一杯。
少年は、の言葉に聞く耳持たず、可憐な動きでに襲いかかる。
本当に危ない!!俺も何か持たないと・・・・・
腰に手をやると小刀があった。
なんとか小刀で剣を受け止め、少年を突き飛ばす。
「フッ。少しは出きるようだな。」
少年は睨みながら言った。
少年の剣はスピードを上げて、またに襲いかかる。
それも小刀で止めた。
その拍子に足をかけ、少年を転ばせた。
【今だ!!】
転がった少年の上に乗り、少年の首へ小刀をやって
少年を睨みつける。
「なんだかしんねーけど、いきなり襲うな!!
俺が勝ったんだから、襲うのはやめろ!!」
そう言うと少年は渋い顔をしながら『わかった・・・』
っといったので、少年から退き手をつかんで立ち上がらせてやる。
「俺の名前は、・、10歳!!君は?」
は相手の名を聞くときは自分から!!と思い、名を言う。
「僕の名は、リオン・マグナス、10歳だ。」
リオンと名のった少年は、不機嫌そうに言った。
「リオン!なぜお前は俺を、襲ったんだ。」
もう少しで死ぬところだったんだ。
「お前は無断で人の家の土地に入った!どう見ても怪しいだろ!!」
俺も悪いけどさ普通それだけで襲うか!!
「でも、俺、ここにどうやって入ったかもわかんないし、
ここが何処か分からないんだよな。」
本当に分からない、たった数時間前のころの記憶だけが覚えてない。
忘れっぽいしな。
「ここはどこ?」
はリオンに1歩近づいたが、リオンが1歩離れた。
「ここは、セインガルド地方、ダリルシェイドのヒューゴ邸だ!」
リオンは早口で言う。相当ムカついているらしい。
「ダリルシェイド・・・か。」
聞いたことある地名だった。結構大きな街なのだろう。
「ダ・リ・ル・シェイド・・・ぁああ!
俺がどうやって入ったかわかったよ。」
えらそうに胸を叩く。あきれたようにリオンはを見た。
「俺は、旅をしていたら良い匂いがしてきたんだ。
良い匂いがしたのはこの敷地内で、壁をのり越えて入ったはいいけど
さすがに家の中には入れないのだろ?
だから木陰で寝ていたらリオンが、起こしたんだよ!」
その場でジャンプしたり寝るフリをして見せた。
ああ結局、俺が悪いなじゃんか。
欲望に負けて壁越えてきたんだから。
でも、よく越えられたな〜軽く2mはあるのに!
実のところを言うと、そのままそこで野宿しようと思っていたのだ。
「どうしよう、今日の泊まる宿と金がないのに・・・・う〜ん。」
あごに手を置いて考える人みたいな格好をした。
リオンはため息をついての方に歩み寄る。
「悔しいが・・・・お前は僕より剣術が上だ。
だから、僕の稽古の相手にならないか?」
「えぇえ?!ほめてくれてありがとうデス。
稽古の相手だよね?んまぁいいよ!
リオン強いから、俺の稽古相手にもなるし、なにより泊まっ・・・・(ヤベ)
っまとにかくOKです!」
「(泊まっ?)わかった。じゃあ、ヒューゴ様に許可を得にいくぞ。」
ヒューゴ様?
この言葉が妙に浮いていた。
「ヒューゴ様ってだれだよ?御偉いさんか?」
するとリオンは少し黙り込んだ後言った。
「僕の上司だ。あと・・・僕の父でもあるがな・・・・・。」
目を下に伏せるリオン。
「・・・お父さんなのになんで様付けなんだ?」
聞いてはいけなかったのだろう。リオンは一瞬肩をビクつかせた
「し、親しい人以外の前では様付けで呼んでいる」
親しい、親しくないは関係なしに、子供に様付けで呼ばせているなんて・・・・・。
「なあリオン。俺の前でも様付けないで良いよ!別にばらさないしさ。」
てか、ばらせないし・・・。
「わかった…さぁ、いくぞ!お前をヒューゴの所まで案内する。」
っと言うと、リオンはスタスタ歩き出した。
「あ、もうひとつ!さっきから気になってたんだけどさぁ、俺の事『お前』とか言うなよ!
俺にはちゃんとというすばらしい名前があるんだぞ!」
「自分でそんなこと言うか・・・
ふっ、まぁいい早く来い!置いていくぞ?」
そういうと大きな屋敷のほうへと入って行った。
「って、えぇ!!?ちょっとまて!
リオーーン!!まてってばー!!!!」