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いつだったっけ?
昔も彼は必死だった
自分のためならまだしも、彼は他人のために自分を犠牲にしていた
いつも、いつも・・・・
chapterD:He of another person
「ゆっ・・有利?まさかぁ・・・・。でも、あの声は確かに有利のような、そうでないような」
どっちだよ!っと言う突っ込みを抑えながら、ギーゼラがよんだ『陛下』を見る
「専守防衛って知ってるか!?とにかく守るだけって意味だよ!
自分から戦ったりは絶対にしないって意味だよ!」
何があったのかは分からない、でも彼は・・陛下は、ただ怒ってるだけではないようだ
必死に訴えかけるように、周りの人々に話しかける
「ギーゼラ。何があってるの??あそこの人たちは誰なの?」
ギーゼラは困ったような顔をした
彼女にも何が起きてるのか分からないようだ
「あそこに居るのは、陛下と、閣下。それに、この村の人たちよ」
集団のように集まっている人々、一人一人を目で追う
この村の入り口で話しかけてきたおばさんや、ミリアと話をしていたおじさん。
そして、ミリア自身もその中に居た
「ミリア!!」
思わず駆け寄るあたし
「!もう起きて大丈夫なの!?」
「うん?起きたら矢が刺さってたから、目覚めは最悪だけどね?」
「・・・・よかった・・・!!!」
ミリアはそう言うと少しなきながらあたしに近づいてきた
「ミリ・・・・ア」
「本当に・・・・良かった・・・・心配したんだから・・・・・」
「うん・・・・」
そういってあたしもミリアを抱き返す
あたしは生きてるって事をもう一度再確認した
「世界の人口の大半は、平和になるように願ってたね!」
有利のそっくりさんの声で、あたしとミリアは二人の世界から、現実へと戻ってきた。
再度、彼へ目をやると、あたしと同じ黒髪だった
黒髪・・・・・陛下・・・・
瞳までは見えないけど、ギーゼラが言っていた双黒のひとつ。貴重な黒
それに、陛下ってなんにつけてたっけ?
王様の名称のことを○○と、女王○○・・・・・。
陛下って・・・・・おうさm(強制終了)
ってことは、もしかして・・・・今、あたしの目の前で怒鳴ってる彼は・・・・
彼が魔王??????!!
テンパリ中のあたしをよそに、有利のそっくりさんは話し出す
「お前らの話の中身はどーよ!?もっと確実に戦争できるようになるまで、
わざと黙ってみてるだとー!?」
えっと・・・・魔王さん怒りピークに達していらっしゃる??
まるでトルコ行進曲のように・・・子犬のワルツのように話しまくる
「・・・・・・・わめくな」
先ほどまで黙って魔王の言うことを聞いていた
灰色の髪の毛をした長髪中年は、かなりウザイ!って顔をしながら眉をひそめる
「話し合え。まずは話し合いをしろってんだっ!
あんたの国の国民が、うちの農地を燃やしました。どうしてくれます、どう保障してくれます?
うちとしては絶対に戦争は避けたい、以後こゆうことのないように、
国内できちんと対処してくれますー?って、解決めざして話合えってんだッ」
魔王さんの話を聞いてると、ミリアたちの村に火を放ったのはこの国じゃない、別の国って事ですよね??
それはわかりました!んじゃあ、なぜ戦争まで発展してるわけですか!?
そりゃあ、火をつけられたことはけして許すわけにはいかないけど、
だからって、戦争は無いでしょう!!魔王さんの言う事はただしいであります。
「わめくな異界人!」
とうとう、長髪中年が魔王に怒ったぁ!
ってあれれ??異界人・・・イカイジン・・・・・イー感じー!!
じゃなくて、異界人ってあの、「別世界から来た人ぉ」とか言われてるアレ?
え・・・・じゃあ、あそこに居る魔王はこの世界の人じゃないの??
「有利・・・・・かな・・・・・まだわかんないけど、あたしと有利は、この世界(異世界)にきたんだよね?
ねえ、ギーゼラ、魔王ってこの世界の人(?)じゃないの??」
ギーゼラは少しだけ驚き、すぐにあたしの質問に答えた
「えぇ、魔王陛下の魂は、当時戦争中だったこの世界から
安全な向こうの世界にお連れして、そこでお生まれになったわ。
それで、つい最近、眞王陛下が陛下をお呼びしたのよ」
彼は有利なの・・・・?
可能性は0%じゃない。
もう一度、彼を見つめなおした
「俺が眞魔国国王になってやらぁッ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えーーーーーーーーーー!?
今まで、散々魔王魔王って思ってきたけど、まだ魔王じゃなかったわけ!!?」
いきなり素っ頓狂な声を上げたあたしを、ミリアとギーゼラは可笑しそうな目で見つめた
「陛下はまだ戴冠式が済んでないのよ。
それと、自分は国王にはならないって言い張ってて・・・
今は、とても素晴らしき瞬間なの!!」
え?怒られた??いや、興奮してるだけか・・・・落ち着いてギーゼラ
「ふーん。じゃあ、何でいままっで陛下って言ってたわけ?
まだ王様じゃなかったなら陛下(仮)って呼べばよかったのに」
「呼びにくいでしょ?」
「あ、そっか〜って陛下が大変!!?」
ギーゼラやミリアと話していたから気づかなかったけど、魔王が変な男に組み敷かれてる!!
Bぇr(強制終了)
というか大変だし!!助けないと・・・・
どうすればいい!?!
はあたりを見渡した。皆、手も足も出ないようだ
1人の兵士が騒ぎを聞きつけて近づいてくる
「あ。すいません!!そこの兵士さん!あなたが持っているそのアーチェリー貸せ!(命令形!?)」
「え?あ!」
兵士が持っていたアーチェリーを無理やり奪い取って、構える
「陛下、当たっても死ぬな!急所は狙わないから!!」
腕を思いっきり引く。片目を瞑って魔王を襲っていた男にめがける
当たれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
あたしの打った矢は、空中に弧を描き、見事に魔王の居る場所へと落ちっていった
が、打った瞬間が悪かった。
ちょうど魔王が馬に乗せられて、男が馬に乗ろうとした瞬間に男の子が出てきた。
「危ない!!避けてーーーーーーー!!!」
ミリアの声が響く
次の瞬間、ミリアの声に吃驚した男は、一歩下がっり男の子を跳ね飛ばして矢の落下地点の真下にやってきた。
「ぐぁあああぁぁぁぁぁぁあぁぁ!!!!」
男は倒れた。
「や、やったー!ちゃん最高☆遊園地でアーチェリーやっててよかったぁー!!!」
あたしはその場で喜ぶ
「!すごいじゃない!!!貴方にそんな特技があるなんて思いもしなかった!!!」
「てへへ?魔王に当たったら元も子もなかったけどね」
「ブランドン!」
ブランドン?
喜んでいる暇など無かった。突き飛ばされた男の子はそのまま起き上がらなかったのだ。
は男の子に近づこうと走り出す
何を調子に乗って喜んでたんだろ。男の子のことなんか考えないで!!
私が放った矢が当たらなかったからって・・・
あの子は、魔王のために走り出したんだ。自分の身よりも陛下を選んだんだ
涙が溢れそうだ。走る事で気を紛わせるしかなかった。
どうか死なないで!
「なげ、る・・・・・・の・・・・・・も、おしえて・・・・・・くれ、るんで・・・・・・しょ?」
微かに零れる男の子の声。耳に届いた時には救われる気がした
魔王と知らない男の人が男の子を囲んでいる
魔王は膝小僧に乗った男の子を抱える
「約束する!」
叫び声と同時に顔が空を向く
その時やっと有利と確信できた
彼は空を向いたまま、あたしに気づかない
空が曇り始める
彼はやがてあたしのほうに振り向き
目の奥まで浸透するような漆黒で見据えた
彼は口を開く事が無い
先に開いたのはあたしの方だった
「・・・・・・・・・・貴方はだれ」
零れ落ちるあたしの声にあたし自身が驚く
何を言ってるんだろ
ただ、何か目に見えない暗闇に飲み込まれそうにな。
有利ではない何かがあたしを見ているようだった
大粒の雨が地面に散る
まるで二人の再会を祝福するように・・・・・・
体がふわりと軽くなり、意識が薄れていく
彼は最後まであたしを見ていた。
脳の奥の方から柔らかな光がこみ上げてくるような感じ・・・
すごく暖かくてなきたくなる
目を凝らし重たい瞼を少しだけ開けると、そこはさっきまで居た場所とは異なっていた。
真っ白な空間の中、女性が立っているのだ
微かな風が吹き、目の前に居る女性の髪を靡かせる
彼女は振り向き、に微笑みかけ少し唇を動かしていた
全部を見る前に、あたしの瞼は閉じ、体の全てが深い闇に飲み込まれていった
これで・・・私は・・・・・・